佐々木俊尚氏「メディアの役割はとても重要」ローカルメディアの可能性2

possible-578x320

メディアの役割はとても重要だと思います。

かつてメディアというのは情報があって、テレビ番組や新聞記事でそれが流れる、そしてそれを人々が読むという一方通行だと長らく思われてきました。
 
しかし、インターネットという双方向の仕組みを持った技術がでてきたことによって、メディアは単に情報を流すだけではなく、それが何かの課題を解決するための手段にもなりました。
 

ソーシャルジャーナリズムという言葉があります。

P2070412

単に政府が悪いということを指摘するだけのジャーナリズムではなく、どうやったらここにある問題を解決できるだろうということを考える、提案するジャーナリズムです。

例えば道路が危険で交通事故がよく起きているこの場所をどうやったら解決できるだろうということを考える。
これが課題解決のひとつとなっています。
 
もしくは最近の自己啓発などもそうです。
大変流行っている自己啓発本ですが、あんなもの本ではないという人もいます。

しかし一方で、例えば就活をどうするか、結婚は大丈夫かと悩んでいる人にとっては、目の前の課題を解決するための手段として提供されています。

プロセスとして本を読む

かつて本は一冊のものとして完結していて、本というコンテンツを純粋に楽しむものでした。

しかし今では、「一冊のエンターテイメントとして本を楽しむ」という考え方よりは「自分にとって何かやりたいことがある、悩みがある、課題がある、それに向かうプロセスとして本を読む」という逆転現象のようなことが起こっているのではないかと思います。
 

すごい共同体になってきています。

P2070419
本や記事、動画といった色々なコンテンツがありますが、それらは目的ではない、プロセスである。

これはつまり、本を読むために本を読むのではなくて、何かをするために本を読むということです。

同時にこれらのメディアには双方向性があるので、すごい共同体になってきています。

そしてその関係性がとても大切です。
 

TABI-LABOではイベントをやっています。

P2070102
Facebookで集めた300人から400人のTABI-LABOを応援してくれるアンバサダーという人たちがいますが、ここでもリアルな関係性がとても重要です。

そこで月に1回イベントやパーティーなどを行い、みんなで話をしたりしています。

リアルで会うということが実は大事です。

インターネットが出てきた頃、これからはバーチャルの時代、仮想の時代、ネット空間がいいのだ、ということが言われていましたが、インターネットが普及した1995年から今年で20年がたちます。

この間にすごく変わったことは、やはりなんだかんだ言っても技術は基盤であり、インフラであって、その上で活動しているのは我々人間だということです。
 
何かに繋がるためのツールとしてインターネットがあり、インターネットそのものが目的ではないというごく当たり前のところに回帰しつつあります。

だからこそ、リアルの関係性がとても大切です。
 

「プロセスとしてのメディア」

そういうものを含めた我々の生きる空間、世界、そのものがメディアと一体化していくという方向性が恐らくこれから起きてくるのではないかと思います。もう少し、「プロセスとしてのメディア」、「目的ではない途中経過としてのメディア」という話を補足してみます。