野外での活動ではマダニに注意!重症熱性血小板減少症候群の予防のために


ピクニック風景

『BE-PAL』を創刊号から購読している、隠れアウトドア派のDiceです。
海に山に、アウトドアでの活動が盛んになる季節になってきましたね。

そんな中、職場で回ってきた情報の中に気になるものがあったので、発信元である宮崎県福祉保健部健康増進課感染症対策室のお許しをいただいて、テゲツー!読者の皆さんにも共有することとしました。

宮崎県内では、マダニに咬まれることによって感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者数が、2012(平成24)年以降19例報告されていて、愛媛県に次いで全国2位の多さとなっているんだそうです。

 

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?

2011年に初めて特定された、新しいSFTSウイルス(Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus)に感染することによって引き起こされる病気です。

主な症状は、発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血など)や、時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、出血症状などをともなうものです。
重症化すると死に至ることもあるという恐ろしいもの。

このSFTSウィルスを媒介するのが、フタトゲチマダニやオウシマダニといったマダニ科のダニなのです。

 

どんなところにマダニはいるの?

フタトゲチマダニ
画像出典:国立感染症研究所

マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(種類にもよりますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)のダニで、動物、とくに野生の動物が生息する自然環境が豊かな場所は、マダニの生息できる環境です。
普段生活している周辺でも、自然が豊かであれば、マダニは生息しています。

例)シカ、イノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境
民家の裏山や裏庭、畑

 

予防するために

予防スタイル
画像出典:国立感染症研究所

何よりも、マダニに咬まれないようにすることが一番の予防策です。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意が必要となります。
草むらや藪などに入る場合は、上記のイラストのように、肌の露出を少なくしましょう。

 

もしもマダニに噛まれた場合は

慌てて引きはがそうとしたり、たたき潰したりすると、かえってマダニの体内にあるウィルスを身体の中に入れてしまう可能性があるので、少々気持ち悪いのを我慢して皮膚科に行くのが一番!

厚生労働省のWebサイトに掲載されているQ&Aには、次のように書かれています。

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。
吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。
また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。

恐れるばかりで屋内にこもりっぱなしというのももったいないので、十分な知識を持って、しっかりと予防してアウトドアを楽しみましょう!

【関連情報】
厚生労働省:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
国立感染症研究所:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
国立感染症研究所:マダニ対策、今できること

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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