蔵元と語らいながら宮崎の本格焼酎を学ぶー本格焼酎ドット恋


渡邊酒造オールスターズ

かつては新宿で宮崎の焼酎を売っていた時代もあるDiceです。
東京のお客さん相手にセールストークを繰り広げていたので、焼酎に関する知識も多少はあるのですが、日々進歩するこの業界、もっと宮崎の本格焼酎のことを学びませんか、というお誘いがかかったので、二つ返事で出かけてきました。

黒木素弓さん

お誘いいただいたのは、宮崎市の歓楽街・西橘通にある「まごころダイニング やまぢ」の女将・黒木素弓さん
素弓さんは、宮崎の本格焼酎の情報交換、蔵への訪問、蔵で働く人との交流などを通して、焼酎ファンを増やしたいと、「宮崎本格焼酎ドット恋」というコミュニティを立ち上げ、今年の5月から毎月第2水曜日に例会を開催していらっしゃいます。

 

宮崎焼酎三銃士のひとり:渡邊幸一朗

渡邊幸一朗さん

2回目となる今回の例会は、宮崎市田野にある(有)渡邊酒造場の若き総帥・渡邊幸一朗さんを招いたゲストトークがメイン。

渡邊酒造オールスターズ2

(有)渡邊酒造場は、仕込みに使う芋の栽培から焼酎の蒸留・瓶詰まで全てを蔵人だけで行っている、こだわった焼酎造りに定評のある蔵で、製造量は大きくはありませんが、品揃えにこだわりを持つ県内外の酒販店、飲食店からの評価の高い蔵のひとつです。代表銘柄は芋焼酎の『旭萬年(あさひまんねん)』。

幸一朗さんは、その渡邊酒造の四代目当主。
柳田酒造柳田正さん小玉醸造金丸潤平さんとともに、夏の焼酎シリーズを仕掛けるなど、「宮崎焼酎の三銃士」として注目を集める若手杜氏のひとりです。

 

「夏のまんねん」からスタート!

夏のまんねん

宴は、その夏の焼酎「夏のまんねん」のロックからスタート。
渡邊さんのお話によれば、
「夏の焼酎は、渡辺酒造、柳田酒造、小玉醸造の3社で話し合って、4年前に作り始めたのがスタート。
青色のクリアボトルで、ラベルはなるべく文字を使わずに絵でやろうということで、切り抜きのラベルにした。」
とのこと。
白いラベルに切り抜かれた淡いブルーのペンギンの向こうに景色が透けて見えるのがオシャレですね。
「夏のまんねん」は度数20°で原料の芋は「ダイチノユメ」、黒麹で仕込まれています。
焼酎を仕込む麹には白麹と黒麹がありますが(希に黄麹も)、黒麹の方がロックに、白麹の方がお湯割りに向いているのだそうです。

 

ロックの美味しい作り方

ロック

ここで、蔵元自ら1杯ずつロックを作りつつ、美味しいロックの作り方について解説。

その手順とは、
1. グラスに氷を多めに入れて焼酎を注ぐ。
2. マドラーでよくかき混ぜながら氷を溶かしつつ全体を冷やす。
3. 最後に溶けた分の氷をグラスに足してできあがり。

こうすることにより、アルコール度数が18°くらいに下がって飲みやすくなるとともに、甘みを感じるがキレも出て飲みやすくなるのだそうです。

確かに、蔵元の作るロックは美味しかった!

「夏のまんねん」飲み終わったら、次のロックは「黒麹旭萬年」
こちらは、原料の芋が「コガネセンガン」ですが、「夏のまんねん」に比べると甘みが残り、味がしっかりするというお話でした。
確かに、軽快に飲める「夏のまんねん」とは少し違いますね。

ここで参加者から、焼酎を冷蔵庫で冷やしておいたらダメなのかという質問がありましたが、焼酎を変に冷やすと溶け込んでいる油分が分離して白濁し、美味しくなくなるので、常温で保存しておいて、飲む時に一気に冷やす方がいい(度数の高い原酒は別)のだそうです。
う~む、勉強になる。

 

お湯割りの美味しい作り方

お湯割りを作る蔵元

さて、「まごころダイニング やまぢ」自慢メニューのひとつ「みやざき地頭鶏炭火焼」が運ばれてきたところで、蔵元は、
「ジューシーな鶏炭火焼には、脂を溶かすお湯割りの方が合っている。」
「白麹旭萬年」でお湯割りを作り始めました。

お湯割り

その作り方とは、
1. カップにお湯を先に入れて、80~90°くらいまで温度を下げる。カップに余裕があれば、空のカップを使って交互にお湯を移し替える作業を2~3度やるといい。
2. お湯の温度が下がったら、ふちからカップの内側に沿ってゆっくり焼酎を注ぎ、カップの中で対流させることでお湯と焼酎を自然に混ぜる。
ということらしいです。

「熱々ではなく、ちょっとぬるいかなくらいの方が甘みと香りが立つ。」
というのが蔵元の解説。

なるほど。
私、これまで頑なにロック派でしたが。次からは種類に応じて飲み方を変えてみることにしましょう。

この後、美味しい料理をいただきながら、
「25°の焼酎1升瓶1,000本を作るのに、麹(米)が400kg、芋2tが必要なんですよ。」
なんて蘊蓄をたくさん聞きつつ、麦焼酎の「麦麦旭萬年」、はだか麦を使った「旭万年星」と品を変えつつぐびぐびぐびぐびと焼酎を飲んでいたら、いつの間にかいい気分のまま宴が終わる時間になってしまいました。

美味しい料理と飲み放題の焼酎に蔵元の貴重なお話までついて、参加費3,500円という破格値。ただし、20名限定!
次回は7月8日(水)の19時30分から、ゲストトークは宮崎市の落合酒造の予定。
詳細については、宮崎本格焼酎ドット恋のFacebookページで告知されると思いますので、要チェック!
【まごころダイニング やまぢ】
〒880-0001
宮崎市橘通西3-8-5
TEL: 0985-23-3213
営業時間:18:00~24:00(LO 23:00)
定休日:日曜日(月曜祝日の場合は日曜営業、翌日定休)

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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