竹×デザインで地域を活性化したい!-Nittake Project


油津赤レンガ館

高校の頃は竹細工職人を夢見ていたこともあるDiceです。
鉈で竹を割って、小刀で削るのはかなり得意で、高校時代は体育祭などイベントのたびに竹を切り出しに行っては、大きなくす玉を作ってました。

そんな過去も持つ私のところに、日南市油津の赤レンガ館で、竹を使ったステキな展示会が始まったという噂が飛び込んできたので、早速、日南線の列車に揺られて出かけてきました。

竹灯り展

赤レンガ館1階の展示室に入ると、孟宗竹に大小の穴を開けてデザインを刻んだ竹灯籠がずらりと並んで迎えてくれました。

「竹灯り」と名付けられたこの展示会は、Nittake Project吉田周平さんと、KI.BA.CO-idea plannninng-雲野未来さんが作成した竹灯籠の展示即売会になっています。

私がお邪魔している間にも、串間市から来られた方が、熟考を重ねた上で、大きな作品を購入して行かれました。

竹灯り展全景

照明を落とした展示室に並ぶ竹灯籠から漏れる灯りが、様々にデザインされた模様を浮かび上がらせて、幻想的な雰囲気を醸し出しています。

KI.BA.CO作品

こちらが、KI.BA.CO-idea plannninng-の雲野未来さんの作品。
写真ではわかりづらいのですが、作品の半分は竹の内側がオレンジ色に塗られていて、暖かみのある赤い光を放っています。

 

竹×デザインで地域の活性化を仕掛ける若きデザイナー

吉田周平さん

こちらが、この展示会を企画したNittake Projectを主宰する吉田周平さん。
日南市飫肥の出身で、高校を卒業後、熊本県にある崇城大学芸術学部に進学。
大学でデザインを学んだ後、福岡でブライダル関係のスタイリストの仕事に就いていましたが、体調を崩して、3年前に実家のある飫肥に戻ったとのこと。

高校を出る時は「何も無い、出たい」と感じていた飫肥でしたが、福岡で体調を崩しストレスを感じていた時に、何故か飫肥に戻ろうと思い立ったのだそうです。

飫肥の街に戻ってしばらくは、実家の託児所を手伝っていましたが、デザインの道をあきらめきれず、1年半前くらいにDAYOSHI DESIGNを立ち上げ、デザインの力による地域貢献を始めました。

Nittake作品

竹デザインとの出会いは、大学の時に授業の一環で山鹿市の灯籠まつりのデザインに関わることとなり、建築学部が竹を使った灯籠を、芸術学部が和傘をデザインしたことがきっかけになったそうです。

そんな吉田さんは、飫肥に戻って1年目の秋、飫肥城下祭の元気のなさに気づきます。
昔は2日間盛大に行われていた祭りが、戻った時には2日目の夜には行われなくなっていました。
その時、飫肥と共通点のある山鹿の灯籠まつりを思いだし、竹灯籠で夜の飫肥を飾って賑やかさを取り戻したいと動き始めます。

2年間自分の想いを伝え続け、Nittake Projectとして仲間を募った結果、その想いは2015年10月の飫肥城下祭において豫章館で実現することになりました。

そして、その延長線上に、今回の展示会があります。

Nittakeの竹灯籠

吉田さんは、竹にこだわる理由として、もうひとつの理由を教えてくれました。

日南は、飫肥杉で名高いように杉林がたくさんありますが、その所有者が高齢化してきて森林の手入れがなされないようになり、そこに竹林が進出して放置され、山が荒れてきています。

こうした問題は、日南に限らず全国的に問題になっているのですが、吉田さんは、竹を資源として活用することで、放置竹林問題を解決しつつ、竹デザインで地域を活性化したいと考えています。

今後、竹灯籠だけではなく、竹炭や肥料として竹を活用しつつ、新たな竹製品を生み出し、将来的には経験のあるブライダル分野にも進出したいとのこと。

若者のこうしたソーシャルビジネスの取組は、竹好きとしては是非とも応援しなければなりませんね。

油津赤レンガ館での「竹灯り」の展示会は、2月18日(木)まで
2月6日(土)13時からは、吉田さん、雲野さんによる竹灯籠制作のワークショップ(定員10人、参加料2,500円)も開催されるのこと。

是非とも、期間中にお出かけください!

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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