日南市にもモダニズムの建築遺産があった! ー 日南市文化センター


日南市文化センター全体像

意外と建築フェチでもあるDiceです。

以前、都城市に建築史に残る名建築があることをお伝えしましたが、覚えてますか?
忘れた人、まだ呼んでない人は、こちら↓から確認を。
「都城で世界に誇る建築遺産を訪ねるー都城市民会館」

これに勝るとも劣らない建造物が、日南市にもありました。
その建物がこれ、「日南市文化センター」です。
山の稜線のような、外壁の斜めのラインが目を惹きます。

西側

この建物の設計者は、丹下健三(1913-2005)。
「世界の丹下」と称され、文化勲章、レジオンドヌール勲章(フランス)を受賞するなど、世界的にも有名な建築家です。

代表建築には、先日、オバマ大統領も訪れた「広島平和記念資料館本館」(1952年)や「東京都庁」(1991年)など数々ありますが、何と言っても、1964(昭和39)年の東京オリンピックの時に造られた国立代々木第一体育館が個人的には印象深いです。

この「日南市文化センター」は、鉄筋コンクリート造2階建てで、1962(昭和37)年に、日南市制施行20周年の記念事業として建てられた、丹下建築としては比較的初期のものです。

西側、正面入口

こちら側が、入口のある建物の正面になります。

目の前には、先日、耐震基準を満たしていないとして一部機能の移転が発表された日南市役所があります。
新庁舎の建設計画もあるようですが、どのような建物になるのでしょうね。
是非とも、この丹下建築のスピリットを受け継いでいただきたいものです。

南側

こちらは南側。

この建物の最大の特徴は、外壁に垂直のラインがないこと。
全ての外壁が、内側に傾斜した構造になっています。

東側

そしてこちらが東側。正面から見ると裏側になります。

さすがに「世界の丹下」、裏側でもデザインに手抜きはありません。
細長い開口部に取り付けられた側板が並んで、面白い意匠になっています。

南側壁面

全体のデザインもですが、この建物は細部がまた面白い。
窓や排水口の処理とか、どうなってるのかな?としげしげと見てしまう。
神は細部に宿るのね。

壁面から張り出したひさし

この感じ、無機質なコンクリート壁なのに、なんかわくわくさせる躍動感とかリズムとかを感じさせます。

こうしたデザインに、フランスで活躍した巨匠ル・コルビュジエとの共通点を見出す人もいるらしいですが、素人にはよくわかりません。
でも、面白いのは間違いない。

内部から南側を窓越しに

正面入口から中に入って、ホール前のロビーから、南側の開口を見るとこんな感じ。
外側から見ると鋭角な角ばかりの中、この窓だけは角がアールに処理してあって、ちょっとほっとするような空間の演出になっています。

 

建築を愉しんでお腹が空いたら

この「日南市文化センター」は、現存する丹下建築としては九州ではここだけということで、わざわざ見学に訪れるファンも多いらしいです。

日南市の名所のひとつとして、あなたも訪れてみませんか?

そしてどうせなら、訪れた後に、近くの日南グルメを楽しんでみませんか?
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いずれも歩いて行ける距離ですよ!

 

【日南市文化センター】
住所:〒887-0021 宮崎県日南市中央通1丁目7-1 ⇒ マップ
TEL:0987-23-4830

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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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