日向で、伝説の始まりを目撃してきた!


もぐらーず:秘密のアイテムでへべすの未来を掘り進めます

もぐらーずのプレゼン

チームからの一言は、「秘密のアイテムでへべすの未来を掘り進めます」

まずは、クックパッドでへべすを検索すると6品と少ないことから、へべすは、ポテンシャルに見合うだけの地域の食文化になっていないことを問題視。

そこで、特に健康効果についてアピールしていくために、テーマである秘密のアイテム「へべ之巻き」によって、へべすを常備菜にしたいと考えました。

そして、ドラゴンアカデミーの講座で学んできた、ユーザーの声を聞くことを実践し、次のようにユーザーの分類を行いました。

潜在ライトユーザー:情報感度が高く健康に気を使うような30代を中心とした、たまに購買意欲を持つユーザー。

潜在ヘビーユーザー:ライザップ系の高額料金のジムトレーナーなど、糖質制限の中でフルーティーなものからクエン酸、アミノ酸が取れると魅力を感じるような健康課金系ユーザー。

これらの潜在ユーザーに、へべすの魅力を知ってもらい、実際に手にとって食べてもらって気軽にリピートしてもらうソリューションを作るために考えたのが、「へべ之巻き」「へべすティック(へべ楊子)」
「へべ之巻き」は、写真が無いのが実に残念ですが、忍者が持つ巻物風な円筒状の容器に、へべすが3個入ったものです。
ふたをかぱっと開けると、裏には秘伝のレシピや優れた機能性成分、どこで買えるかなどの情報が満載です。

「へべすティック(へべ楊子)」は、またまた写真がないのが残念ですが、刺す、回す、絞るという3ステップだけで果汁が抽出できる優れもので、実際に使用方法を実演してその機能性をアピールしました。

そして、
「潜在ライトユーザー向けには、へべすゼリーを入れたセットや、へべすと合う食材との組み合わせ販売、ふるさと納税のお返しとして販売することで定期購入につなげるなど、いろいろな販売を行います。

潜在ヘビーユーザー向けとしては、芸能人や著名人の多いジムを対象にし、そこからSNS等で発信することで、フォロワーもターゲットとしていきます。」

とし、

「マーケット規模、リピート率の向上、調味料以外のレシピ、薬機法や景表法など、まだまだ検討するところもあります。」
と問題点を提起して発表を終えました。

 

主任講師の斉藤潤一さんより一言

講評する齋藤潤一氏
画像出典:日向ドラゴンアカデミーFacebookページ

「プレゼンテーションの工夫が良いと思いました。
『伝える』を重要視していて、伝える伝わるのプレゼンテーションでした。」と称賛。

また、
「マーケティング調査を踏まえて、どうやったら食べやすくなるだろうというところを、実践してみたのも良かった。」
と、『へべすティック』の着想を褒め。最後に、
「他のチームとも組み合わせでいろんな事もできそうなので、工夫して進めていけばよいと思います。」
とアドバイスしました。

プレゼンの中で出てきた『へべすティック』は、爪楊枝を使って絞るやり方よりも簡単で、これは私も欲しいと思いました。

 

わさわさ:新しい農業の形を提案します

わさわさのプレゼン

チームからの一言は、「新しい農業の形を提案します」

へべすは、生産数が減っていて加工しようにも物がない状況があるので、その生産を増やすことに着目。

へべすの生産農家は、30代が3%の一方、55歳以上が95%で、10年後、20年後には生産する人がいなくなる可能性があり、実際に高齢化の進展とともに、2008年から生産量は徐々に右肩下がりの状態なのだそうです。

その背景としては、へべすの樹の寿命が25年といわれている中、未来に希望が持てないので植え替えをする人がいないことも要因とのこと。

生産を増やすためには、販路を拡大することが必要なのですが、そこで登場したのが、へべす生産者でもある黒木洋人さん。

自ら吉祥寺の居酒屋にへべすを持ち込んで使ってもらったところ、お客さんの方から「へべす美味しい!」と声が上がり、今では、「へべすサワー」が吉祥寺界隈の飲食店50店舗ほど利用されていると報告。

そこから、
「新しいものが好きで、積極的にSNS等で拡散してくれるアーリーアダプターやインフルエンサーをターゲットとして、爆発的なヒットを狙いながら、健康志向の人達も取り込むことで、長期的な目線で売れていくようにしたい。」
と語りました。

更にその経験から、へべす生産の活性化、地域創生のために、オーナー制度としての「接農」を提案。

「農業体験交流型、販売加工型、作業参加型などのような観光農園ではなく、提案していきたいのは、就農交流型、保全支援型です。

就農交流型とは、へべすの苗を1万円で購入して現地で植えてもらい、オーナーとなるもので、特典として、定期的な成長記録の配信、1年に1回の現地での生産者との交流会を企画します。

保全支援型とは、へべす保存会を設立し、へべすの管理や収穫をサポートしていただいた方へ現物を支給していくものです。
へべす農家の現状では、人件費を出す余裕は無いので、この様な形でのサポートはすごく助かります。」
とのこと。

「オーナー制度の課題として、へべす農園を専門で管理する人材や、情報発信を行う人材が必要です。
また、オーナーを受け入れる拠点や組合等の組織を作ることも必要です。

オーナー制度は、消費者が生産者を直接知ることで安心安全であることを確認でき、生産者と消費者の架け橋となります。

『就農』とは、いきなり農家になるのではなく、投資型就農で、投資することによって他の人が管理する農業であり、今後生産者が少なくなる時代の新しい農業のスタイルだと思います。

この様な形で、広報活動、農業体験を軸にして、日向が受け入れ口になることで日向も活性化し、農作物も豊かになっていくシステムだと考えます。

国民全員がへべすの木を買って、一家に一本のへべすの木があり、日本の食卓には必ずへべすがあるという『一億人総へべす』を目指したいです。

日向ドラゴンアカデミーで学んだことは、地域創生を担う若者とばか者とよそ者が盛り上げていくことです。」
と力説し発表を終えました。

 

長友慎治氏(ひむかBizセンター長)の講評

「生産者の黒木さんが提案されていることなので、へべす農家さんが確実に助かるのであれば、オーナーを募ってやるだけだと思います。

高齢化で担い手がいないということでしたが、逆の見方をすれば、高齢者でも続けていける農業や接農であるのではないでしょうか。

へべすは、息の長く農業を続けられる果物であるとブランディングし、日向市の移住事業とコラボして、『日向でへべすの農業やりませんか』とアプローチできるのでは。

情報発信については、1月から『ひむかBiz』が立ち上がりますから、安心して任せてください。」

としっかりとアピールもされていました。

「オーナーの受け入れについては、現在生産を行っている農家さんにしっかりと『接農』を説明して共感をもらい、実際にオーナー制はいい事ばかりだとアピールして、へべすを救おうとする人を増やしてください。」
と激励されました。

へべすのオーナー制度、すごく興味深くて、オーナーになりたいと思いました。
また、講評での逆転の発想は素晴らしいと感動しました。

以上で、全チームのプレゼンテーションが終了となりましたが、各チーム販路拡大に向けての様々な取り組みがあり、どのチームも最後までやり遂げていただいて、その成果を見てみたいと感じました。

 
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この記事を書いた人

2014年4月からテゲツー!ライターに参加。
趣味は料理で、2016年からフードアナリスト、2018年からは冷や汁エバンジェリストとしても活動中。
2020年4月に宮崎での7年間の単身赴任生活を終え、2022年3月まで東京・新宿にある宮崎県のアンテナショップを統括した後、さいころ株式会社を設立、同社代表取締役。
テゲツー!のアドバイザーで後見人的な人で、玄人受けするその記事にはファンも多い。

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